第218号  22年10月号  大川 澄雄

  今にも、迷犬「ダフ」がひょいと現れそうで・・・・。
秋、それは稔りに感謝の季節、今年も果てしなく澄み切った秋空の下、コンバインの音も軽やかに、収穫出来る喜びに浸りながらの刈り取り作業に入りました。 じ~っとコンバインに乗っておりますと、何故か過ぎ去りし日の懐かしい思い出についつい没入している事もございまして「うわあ~」と我に返ると、刈る位置から逸れてしまっていた事もありました。そんな大ヘマは私だけかも知れませんが・・・・。そしてこんな事も・・・・。

 刈り取りが始まり、田んぼに連れて行きますと行方不明になり、刈り取りもそこそこに捜して回ると言う事件?をいつも起こして心配させておりましたラブラドールの迷犬「ダフ」、昨年、人生、いや犬生を全うして黄泉の国へ旅立ったのですが、この時期が来ると、刈り取りしながら「あれ~・・ダフがいない、また何処かへ行ったかな~」と見回して「あ~あ、またかあ・・・」と。そして刈っている稲の角から「にゅっ」と現れるのでは・・と。しばらくして「な~んだ、もう居ないんだ」とふと我に返る、そしてかの日が懐かしく甦る。何しろ十数年も続いた事、なかなか忘れ得ぬものでございますね。

 刈り取り時期になりますと俄然張り切って、邪魔をしながらも田んぼの中を走り回って加勢?してくれていた「ダフ」。今頃ワンワンとうれし鳴きしながら、この日を待っていて遊びに来ているのかも知れません、その辺りに・・・きっと・・・・。    

今月の一句
 新米や 朝の厨に 香を満たす