第243号  24年11月号  大川 澄雄

 霜月、11月を迎えました。皆様におかれましては、ご清祥にてお過ごしの事と存じお喜び申し上げます。これから寒くなります。どうかお身ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。
 ヘドロ塗れの暗渠作業・・・・。
 さて、無事稲刈りも終りまして「ほっ」とするのも束の間、溝を掘り排水管を入れ籾殻を入れる「暗渠作業」が始まりました。今、村の広大な圃場を見渡しますと、何やら白い大きな袋が遠近に並べて置いてある事に、村外から来られた方はびっくりなさる事でしょう。そうです、これこそ暗渠に入れる「籾殻フレコン」なのです。今年は補助事業もございまして、村の農家はほとんど、猫も杓子も暗渠作業に勤しんでいる訳でございます。

 そこで不足するのが籾殻。今までは、ある受け入れ業者に「こら~そこに捨てるな~」と嫌な顔されて取ってもらっていたのですが、所がどっこい、今年から引っ張りだこ。何となんととても高騰、フレコン(玄米20表ぐらい摺ると籾殻一杯)一つでうん?千円もすると言う高値。それ程必要不可欠な「籾殻様」なのです。こうなると業者にはやれません。

 我が家も違わず家族総出でやっておりました。トレンチャーと言う溝堀機で深さ60~80センチで掘り進む訳なのですが、その底から出て来るのが太古のヘドロ、かの八郎潟の湖底の面影がそのまま出て来る訳でございまして、「ガリッ」と微かな音がしたら蜆貝の殻に当たった音なんです。薄青色の独特の香りを放つヘドロ、実はこれが太古より葉っぱなど有機物が湖底に堆積し腐った土なんです。勿論酸化しますと最高の有機肥料に変化する訳なのですが・・・・。ヘドロが柔らかいせいか作業中に野良着や顔に付いてしまうんですね。お互い見合えば「ぶっ」と吹き出す笑い声、そうですヘドロの化粧なのです。声かけて労わる積もりが高笑いになってしまうのでありました。ここで愚歌。

   ― 顔見合い笑いとなれり労わりは暗渠作業ヘドロに塗れつ ―

そんなつまらない歌でも詠みながら頑張りますね。皆様どうかお健やかで在られます事を。        

今月の一句
刈りあとの 何と静かや 水を掃く