第307号  30年3月号  大川 澄雄

 弥生三月、月日の経つのは誠に早いものでございます。あの厳しい雪の時期を遠くに押しやり春を迎えました。とは言っても春とは名のみ、まだまだ寒さが襲ってくる、そんな谷間でもありましょうか。
 どうか皆様、風邪などお召しになりませんよう、念じております。

 豪雪から逃れたい・・・豪雪に見舞われました皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。雪とは一見誠に綺麗に見えますが、本当は大変やっかいなもの(雪を愛する人に怒られるかな)でございまして、雪国は毎朝雪かきから始まるのが日課、うんざりを越して疲れてしまいます。しかも若い人が少ない現在、お年寄りでの雪かき、そりゃ想像を絶します。ちっとも嬉しくない降る雪、早く春になればと念ずるばかりです。

 でも春の兆しが・・・そうとは申しましてもやはり季節でございます。三月を迎えると降っても雪そのものの降る間合いが長くなり長続きしません。そんな空に薄桃色がほんのり広がる優しい季節を迎えました。まさに風花の季節でございます。先日、うちの駄犬「リキ」がしきりにそれを見上げて匂いを嗅いておりました。「リキ、春の香りがするのか」と話しつつ私も空を見上げて嗅いてみましたが、な~んにも匂いませんでした。犬って不思議です。猟犬と言う事もあるかも知れませんが、空が優しい穏やかな色になりますと、仕切りに上を向きながらクンクン嗅いでおります。季節にとても敏感、もしかしたら春の訪れがわかるのかも知れません。

 納屋の窓に映る夕焼け・・・そろそろ農作業を始めなければと納屋におりますと、窓を通してまだ薄赤色の夕焼けが窓を赤らめます。まるで「春だよ」とささやいているようです。しばらく見惚れながら「よし、頑張るぞ」とその光景に勇気をもらっている村の早春でございます。
 どうか皆様、お健やかで在られます事を心よりお祈り致しております。

今月の一句
納屋の窓 夕光(かげ)やさし 春の色