第319号  31年3月号  大川 澄雄

 弥生三月、月日の経つのは誠に早いものでございます。あの厳しい冬の時期を遠くに押しやり春を迎えました。とはいっても春とは名のみ、まだまだ寒さが襲ってくる、そんな谷間でもありましょうか。
 どうか皆様、風邪などお召しになりませんよう、念じております。

 津軽・岩木山へ・・・・そうですね、もう35年ぐらいになりましょうか、 昔は12人もいたのですが今はわずかに3人。老いに鞭打って猟に行って来ました。雪は「はんぱない」岩木山麓。いつもお世話になっておりますK旅館、硫黄の香りのする濁り湯のとてもステキなひなびた部屋にゆっくり休みましたが、3人とも不思議な出来事に眠れず語り明かしておりました。

 不思議な出来事・・・その不思議な事とは、あんなにいた野ウサギが足跡すらも探せなかったのです。年々少なくはなっておりましたが、そんなに減るなんて…しかも全くといっていいほどでした。絶滅といっても過言ではありません。さらに、カンジキはぬかるし疲れ果てて早めに火を焚いて昼にしておりましたら、地元の猟師が来て、「この広大な裾野を持つ岩木山でも1羽の野うさぎもいなくなった。不思議でならない。きっと自然現象が左右しているのでは…もしかしたら酸性雨が影響しているのかもしれない」と真剣に話しておりました。私達もありえるかもしれないと感じました。もしかしたらもう野ウサギを見る事はないかもしれないと語りつつ、岩木山を後にしたのでした。

 生まれましたあ・・・2月20日昼過ぎ、いてもたってもいられず家内と2人で秋田のN病院まで駆けつけまして待っておりましたら、午後3時ごろ孫が誕生しました。息子(史郎)と共に喜びを分かち合い、しばらくして病室に帰ってきた息子の嫁に、労いと感謝の気持ちを伝えてから私たち2人は先に病院を後にしたのでした。
 元気で健やかな成長を願いながら、その日の夜はささやかなお祝いを。最高のお酒の味でありました。
 

今月の一句
新しき 命つむぎて 春やよい